釧路市
根室管内夫婦 安堵の下船 クルーズ船
新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、発熱などの症状がなくウイルス検査で陰性だった乗客の下船が20日も行われ、乗船していた根室管内在住の自営業の夫妻も無事下船した。21日に地元に帰省するという。男性は持病の薬が切れ一時は不安だったが、非常事態にも乗員が落ち着いていたと言い、船内の様子を赤裸々に語った。(五味亜希子)
「やっと解放されて一安心です」。男性(70)は下船後、釧路新聞の電話取材に開口一番こう語った。体調は良好で、下船後に東京・浅草で和食を食べ都内のホテルに1泊し、21日に空路で帰省する。
男性は、妻と60~80代の在京の友人ら計6人で、1月20日から2月4日まで旅をする予定だったが、船内待機を15日間強いられた。検査結果は全員陰性だった。
陽性者の乗船が分かった1日、沖縄で5時間待たされている間は「乗客はみな、これほど大ごとになるとは思っていなかった」と話す。3日には持病の心臓の薬が無くなり、厚生労働省に直接問い合わせた。迅速な対応で翌日に薬が届いたが、その間船内の米製常備薬を服用した。
5日から一度も部屋から出られなくなったが、朝日が入り、夜景が見られる海側10階のベランダ付き客室のロケーションにも「助けられた」と振り返る。この頃から、家族や職場に無料通信アプリのLINE(ライン)で無事を報告し続けた。同時に、乗客を不安にさせないよう普段通りに朝昼晩の食事を運ぶ外国人乗員の姿勢にも感心したという。
20日には80代の乗客2人が亡くなった。男性は発熱や倦怠感などが一度もないが、帰省後は「数週間外出を避けたい」と行動を制限する予定だ。
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