ひとりで悩まないで! 母乳から発育までアドバイス【ハグくしろ】
釧路地域では4人の助産師資格を持つ乳房管理士が、母乳育児の支援を行っています。「鈴木母乳育児相談室」は35年間に渡って、乳児を持つ母親へ乳房管理を始めとする支援を行ってきました。乳児期における母親が抱えやすい悩みや、釧路での子育てについてお聞きしました。
母乳育児相談室とは
相談室では母乳に関する施術を通して育児相談も行っています。1週間に数十人が相談室を訪れ、多くは断乳を終えるまで通い、2人目を生んだ際に訪れる方もいます。
施術では桶谷式乳房手技を通して乳房診断を行い、母乳の分泌を促したり、授乳指導などを行います。育児や家族の悩みにアドバイスも行うので、ママさんたちには「心を軽くできる相談室」とも言われています。
どんな悩みを持った方が訪れますか?
母乳相談室はすべての方に完全母乳育児を推奨するわけではなく、乳房診断、生活の仕方、食事内容などを聞いて、その人に合った育児のアドバイスを行います。母乳の分泌量によってはミルクの併用を薦める場合もあります。
また産後は乳房炎を引き起こすこともあり、夜間の緊急施術にも対応します。発育に関する悩みを聞くことも多いので「比較せず子どもだけを見てあげて」と伝えています。以前と比べると成長が感じられるはずです。
家族や周囲の人にできることはありますか?
1番に始めて欲しいことは、ママさん本人に聞くこと!「何かできることはある?」「困っていることはある?」と、声をかけてあげることが大切です。産後はホルモンバランスが崩れてメンタルが整いにくく、昼夜関係なく母乳をあげるので今までの生活リズムは続けられません。だからこそ「辛いときは口に出してもいい、いつでもサポートする」という体制を整えてあげて欲しいのです。もちろん相談室では積極的に伺っています。
釧路地域の子育ては恵まれていると聞きますが?
釧路地域に乳房管理士は4人いますが、他地域は管理士が少なかったりいなかったりします。また釧路地域のママさんたちは比較的、実家の支援を受ける方が多いです。けれど都会であれば実家は遠方かもしれませんし、予防接種や健診へ行くときも公共機関を使います。
さらに夏は冷涼で汗疹になることも少なく、冬は室内で自由に遊ばせることができます。釧路地域の子育ての利点ですね。
これからの相談室について
育児環境や食生活も時代とともに変化していますが、育児は1人ではできないもの。母乳に限らず誰かを頼ることは甘えではありません。また相談室で1万人を超える母子と接してきたからこそ選択肢を伝えることもできます。
将来的にはママさん同士の交流の場、これから妊娠する女性や思春期の中高生にホルモンや体の変化についても伝えられる相談室にしていきたいです。
INTERVIEWEE
鈴木 真理子さん
桶谷式母乳育児相談室鈴木助産院自営。1954年生まれ。釧路労災看護学校卒、看護師免許取得。労災脳外科勤務、後に、大阪の聖バルナバ助産学院卒、助産師免許取得。労災産科勤務、後に、大阪の桶谷式乳房治療院研修センター卒、乳房管理士認定証取得。釧路へ戻り、85年、分娩業務なしの助産所開設。訪問のみ母乳育児相談指導を3年続け、結婚を機に、現、市内鳥取に自宅開業。
・鈴木母乳育児相談室
住/〒084-0907 釧路市鳥取北4-15-15
℡/0154-51-0399(平日9:30~17:00)
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