「ほめ写」とは?写真ではじめる新しい子育て習慣【ハグくしろ】

 スマートフォンの普及により、一億総カメラマン時代と言われる現代。世界の写真人口は40億人を超え、1年間で撮影される写真枚数は1.2兆枚に及ぶとも言われています。中でも写真を撮ることが多い子育て世代。子供が生まれた途端、撮影枚数が何倍にもなったという方も多いのではないでしょうか?しかし一口に写真といっても、同じようなカットになったり、望んだように撮れなかったりと難しいもの。今回はママフォトグラファーの菅野さんに、撮影のコツや写真を取り入れた子育て習慣「ほめ写」などについて話を伺いました。

活動について教えてください
 自宅をスタジオとして、ベビー、キッズ、ファミリー、マタニティを対象とした写真を撮影しています。私自身が子育て中なので、ベビーゲートやおもちゃなど設備面も充実。1日1組に限定しており、授乳や休憩などをはさみながらお子さんのペースに合わせてゆったりと撮影できます。そのため、自然な笑顔を引きだせる記念フォトを撮れるのが「アンビシャス」の特徴です。その他、リボンなどで作った花形の勲章モチーフ「ロゼット」、赤ちゃんがかむためのおもちゃ「歯固め」、工夫を凝らしたアルバム作りを行う「アルバムカフェ」のワークショップなどを、イベントや依頼に合わせて行っています。
フォトスタジオを始めたキッカケは、我が子に絵本風の背景を作って寝姿を撮影する「おひるねアート」の写真を撮ってあげたいと思ったことです。釧路では当時撮ってくれるところがなかったため、学ぶことから始めました。学んでいく中で、釧路には子供連れで楽しめる場所がまだまだ少ないと感じ、ワークショップなどママが子供連れで楽しめるものも増やしていきました。

写真が子育てに良いポイントは?
 他人と比較することなく、何事も前向きに乗り越えられる子に育って欲しい。そんな思いを抱く親御さんは多いと思いますが、諸外国に比べて日本は自己肯定感が低いという調査結果が内閣府から発表されています。自分は愛されているんだという自覚が自己肯定感という自信につながるんですね。日本人は褒めることが苦手なので、そこで役立つのが写真を使った子育て習慣「ほめ写」です。
やり方は簡単で、お子さんが写ったA4サイズくらいの大きな写真をお子さんの目線の位置に飾り、それをお子さんと一緒に眺めながら「この時はこうだったね」「かわいいね」「大好きだよ」と褒めてあげましょう。写真に写った自分が褒められることで、直接褒められるのと同様の効果が期待できます。
何かをがんばったから褒めるのではなく、「愛してるよ」などと無条件に褒められた経験は、子供の成功体験や自己肯定感を高めることにつながり、自信や生きていく力を育んでいくのです。

写真を飾って褒める「ほめ写」

 

家庭で取り入れられる撮影のコツはありますか?
 デジカメでもスマートフォンでも、ポイントは動き回る子供に対しては連写すること。また、新聞紙などでガサガサと音を鳴らしたり、口で「パッパッ」などの破裂音を出したり、おもちゃを動かしたりして、カメラに子供の視線を誘導するのもオススメです。また、スマートフォンには画面に格子のような目安線(グリット線)が表示されるものもありますので、線が交差する場所に被写体を合わせて写すとバランスの良い写真になります。普段皆さんが利用しているスマートフォンにも簡単にきれいな写真が撮れる機能が付いている場合もあるので、ぜひ確認してみてくださいね。
また、赤ちゃんはうつぶせ姿勢だと顔が暗く写りがち。白い布を引いた上で撮影すると光が反射して、上手に撮影することができますよ。汚れやすいからと敬遠しがちですが、抱っこするママが白い服を着ると、天然の反射板になって親子でキレイに写ります。

子育てをする方々へメッセージ
 「アンビシャス」を訪れるママとの交流で感じるのが、子供単独やパパとの写真は多くてもママとの写真が少ないことです。パパや周囲の人たちは積極的にママと子供が一緒の写真を撮って欲しいですね。また、撮った写真はデータで残すだけでなく、ぜひ印刷してアルバムに残しましょう。たくさんある写真の中から選ぶことで親の思いも込めやすく、子供にもそれが伝わりやすいと思います。ツリーや桜などの季節感を取り入れた写真があるとアルバムも華やぎますね。フォトスタジオを活用することで第3者から見た家族像を残しておくのもオススメです。
「アンビシャス」では今後ティピーテントなどをセッティングした屋外での撮影も行っていきたいと思っています。また自宅だと後片付けが大変そうな「スマッシュケーキ」などの撮影も考えています。釧路でも流行りを取り入れた子育てを諦めたくないと思い、始めたフォトスタジオです。やりたいことは気軽にご相談ください。かけがえのない一瞬を写真におさめましょう。

【INTERVIEWEE】
菅野 奈緒美(すがの なおみ)
 障害者施設の支援員、高齢者福祉のケアマネージャーとして長年福祉関係の仕事に携わる。出産後、「おひるねアート」に出合い、2018年6月日本おひるねアート協会認定講師資格を取得。講師として活動を始める。その後、ロゼット、歯固め、アルバムカフェなどワークショップ資格も取得し、ママ&ベビーが楽しめる活動や場所づくりに取り組む。2020年10月ママフォトグラファーアカデミーの赤ちゃん専門の「ベビグラファー」資格を取得し、フォトグラファーとして活動を始める。
ambitious photo studio(アンビシャス フォト スタジオ)
HP/https://ambitious2018.jimdofree.com/
公式ライン/https://line.me/R/ti/p/%40bkf1657o

★次回は1月22日に配信します。

 


釧路新聞電子版のご登録はコチラ!登録月は無料!!

関連記事