株式会社釧路河畔開発公社
釧路市のシンボル施設
釧路市のウォーターフロントのシンボルとして市民に親しまれている「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」は、抜群の立地条件や周辺の景観をはじめ、新鮮な魚介類など釧路ならではのグルメが堪能できるなど観光客にも人気の施設。指定管理者としてMOOを運営する釧路河畔開発公社は、市民と観光客が共に楽しめる魅力あふれる施設づくりを推進。近年急増している外国人観光客への「おもてなし」など、受け入れ態勢の充実にも力を注いでいる。
1973年、河畔駐車場を管理するための第3セクターとして釧路市と民間の共同出資で設立された「釧路河畔開発公社」。設立当初は駐車場の管理運営が目的だったが、80年代に「観光漁港ショッピングセンター構想」が持ち上がると、87年には推進委員会が立ち上がり、地域経済活性化策を盛り込んだウォーターフロントの再開発構想がまとめられた。
この事業は民活法の適用国内第1号として採択されたことで内外から大きな注目を集めた。89年に華々しく船出したオープン当初こそ入館者は計画を大きく上回ったものの売り上げには結び付かなかった。さまざまな経営改善に取り組んだが、その後も累積赤字が続いたことから債務整理を行って施設を釧路市に売却し、同公社は指定管理者として新生MOOの舵取りを任されることとなった。
再建を託されたのが、開業当初からテナントとしてMOO内で土産物店を経営し、テナント会の会長を務めていた中野喜久雄氏だった。07年の社長就任以来、「風通しのよい組織づくり」を目標に掲げながら、集客力の向上に注力した。全店一丸となって魅力あふれる施設づくりにまい進し、営業努力と市の支援もあり、10年度には累積赤字を解消して債務超過を脱することができた。
大好評の岸壁炉ばた
今やMOOの看板施設ともなっている「岸壁炉ばた」は地元客、観光客いずれからも大好評で、開設期間中の5月中旬から10月末まで大勢の人でにぎわう。北海道三大名橋の一つ幣舞橋を眺めながら、釧路港の岸壁で潮風を肌に感じながら味わう旬の魚介類の炭火焼きの味は格別。サンマやサケ、カキなど釧路ならではの海の幸が訪れる人を魅了してやまない。一方で釧路の味覚を通年満喫できる2階の「港の屋台」も定着。新鮮な地場産魚介類や名物のザンギ、焼き鳥、おでんなど、多彩なメニューが来館者を喜ばせている。
11年3月に発生した東日本大震災では浸水により営業中断に追い込まれたが、3週間後に再開。このことを教訓に災害に強い施設づくりを目指して一部をリニューアルしたほか、電気設備を上階に移動するなどの対策を講じた。5階にあった温水プールを撤去して多目的アリーナを新設。防災機能を備えた避難施設として、災害時には避難場所にもなるほか、通常時は親子で遊べる触れ合いの場や、スポーツを楽しめる施設として親しまれている。
近年は海外からの観光客を満載した外国クルーズ船が数多く寄港するようになり、市民ボランティアによる「おもてなし」効果もあって好調な売り上げを記録していた。また、16年に開通した道東自動車道による入り込み効果も大きくなっていたが、20年の新型コロナ禍によって売り上げは激減してしまった。
それでも国際化に対応したホスピタリティーの向上をさらに推進する。また、コロナ禍からの脱却を図るべく施策を推進する必要を感じている。「今後は外国人観光客の誘致に力を入れていく必要がある。地域あってこその施設なので、これからも市民と観光客の両方に愛されるMOOでありたい。積極的に地域の商店街と連動して観光情報の発信に努めたい」そう語る中野社長は、常に市民と観光客に愛される施設づくりを目指し続けている。
概要 | |
法人名 | 株式会社釧路河畔開発公社 |
住所 | 釧路市錦町2の4 |
電話 | 0154-23-0600 |
FAX | 0154-25-2885 |
HP | https://www.moo946.com/ |
設立 | 1973年 |
事業内容 | MOO・EGGの管理運営、河畔駐車場および錦町駐車場の管理運営 |
主な役員 | ▽代表取締役社長 中野喜久雄 ▽専務取締役 齋藤孝俊 ▽取締役 川村修一、小林強、熊谷伸勝 |
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