テツ男社長のたわごと交通

流氷物語号とSL(DL)冬の湿原号

 ひがし北海道の釧網線(網走~東釧路)では、流氷物語号(網走~知床斜里)とSL冬の湿原号(以下湿原号)が冬季間運転しています。

 とある2月、網走発9時45分の流氷物語号1号に乗車しました。車両は、網走側の1号車が「流氷の恵み号」(キハ40-1720)、知床斜里側の2号車が「森の恵み号」(キハ40-1779)です。今シーズンから1号車の海側の一部が座席指定席になりました。

 1980年代、ひがし北海道を舞台にしたテレビゲーム「オホーツクに消ゆ」が登場し、人気を博しました。今年も流氷物語号と「オホーツクに消ゆ」がコラボし、ヘッドマークも特別です。

網走駅で出発を待つ流氷物語号

 

 網走を出発すると網走市の観光ガイドによる名調子が始まります。進行方向左側には、オホーツク海が広がります。ドアが閉まり、発車ブザーが鳴り、網走を出発して車掌さんの案内、そしてガイドによる車内放送が始まります。音だけをお聞ききいただき、頭の中で車窓をイメージしてくださいね。

 

網走を出発してから車掌、ガイドの車内放送

 

 桂台、鱒浦、藻琴を過ぎると海岸が近くに見えてきます。この日は風向きのせいか、流氷は遠くに見えるだけでした。北浜では10分ほど停車します。一番オホーツク海に近い駅です。ここには展望台があり、流氷物語号、オホーツク海、そして天気が良ければ知床連山を望むことができます。

 

北浜駅の展望台から知床連山を望みます

 

 北浜を出発すると進行方向左側には原生花園、右側には凍結した濤沸湖(涛沸湖)が広がります。ところで車内には販売コーナーがあります。流氷物語号や石北線を走る特急列車関連グッズ、「オホーツクに消ゆ」とのコラボ商品などあります。この列車の運行に力を発揮しておりますMOTレール倶楽部のみなさんが考えたオリジナル商品ばかりです。

 列車は、浜小清水に停車します。次の止別との間、さらに止別から知床斜里の間に海岸線がばっちり見える区間があります。この日は流氷の完全な接岸はありませんでしたが、近くまで押し寄せていました。

 

止別の知床斜里の間に見えるオホーツク海で、接岸しそうな流氷帯が見えます。海岸線には取り残された流氷も

 

 知床斜里で下車して30分ほど待つと、釧路行の快速しれとこ摩周号がやってきますので、これに乗って標茶を目指しました。

 標茶には12時41分に到着、SL冬の湿原号の出発まで1時間以上ありますので、昼食をとりたいところです。

 標茶駅を出て右側にあるのが標茶町の特産品を販売する「みるくっくさんのアンテナショップ」(グリーンツーリズム標茶主催)。しべちゃ牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品。標茶町で育った星空の黒牛のレトルトカレー。有精卵を生産しているポロニの卵を使ったサンドイッチやシフォンケーキ。暮らすことキナで開発した石炭ショートブレッド、たんぽぽが星空の黒牛などでつくったお弁当「おにぎらず」などを販売しています。特製のポストカードなどグッズも多数あります。

 同町にあるホテルテレーノ気仙は、サフォークを使ったラムバーグ弁当や肉巻きおにぎりなどを用意しています(土曜休日のみ)。

 また、駅前の道をまっすぐ進み、開運橋を渡った十字路にある喫茶ぽけっと(徒歩10分程度)では、湿原号運転中にSLザンギカレー(スパゲッティーもあります)を食べることができます。運がよいとスコップ型のスプーンが出てくるかも。

 駅待合室には、食事を含む「おさんぽMap」が置いています。ぜひ参考にして標茶の「味」をお楽しみください。

 

標茶の「味」いろいろ

 

 湿原号は標茶を14時に出発します。この日もまだSLは検査中でしたのでディーゼル機関車がけん引します。標茶を出発してから2号車の販売カウンターに寄ってみました。

 サボやエンブレム、マスク&マスクケース、ステッカーに加え、新商品として「SL金太郎飴」が登場しました。ヘッドマークが金太郎飴になっていてて、ビンの中にはオリジナル缶バッジ(3種類あります)も入っています。そのほかプリンや釧路の地酒「福司」ワンカップ、MR.ししゃも、クッキーなども販売しています。販売カウンターは、釧路発の湿原号は標茶少し手前まで、標茶発は塘路まで営業しています。

 

湿原号2号車の販売カウンター

新登場のSL金太郎飴

 

 タンチョウの来る駅として有名な茅沼には、タンチョウがいました。それなりに列車と近い距離のタンチョウも・・・。また、沿線ではエゾシカやオジロワシの姿も見かけました。湿原号の魅力は何と言っても釧路湿原や釧路川など自然の中を走ることでしょうか?

 

茅沼ではタンチョウの姿も(ちょっと遠目ですが・・・)

 

 今シーズンは暴風雪に見舞われ、流氷物語号、湿原号とも運休を余技なくされたこともありました。自然には勝てませんね。

 さて、流氷物語号は今シーズンの運転を終了しましたが、湿原号は3月も運転する日があります。詳しくはJR北海道のホームページでご確認してください。3月に湿原号が運転するのは久しぶりですので、ぜひ春の足音を感じてください。

 

車窓には湿原や釧路川、エゾシカの姿も(塘路~細岡)


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