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地域包括支援センターケース会議、弁護士へ参加依頼 新年度から釧路市

 地域の高齢者や介護者らが抱える法的問題に対処するため、釧路市は新年度から市地域包括支援センター(7カ所)のケース検討会議に弁護士の参加を依頼する。2016年度から法テラス釧路と釧路弁護士会の協働による試行事業として弁護士が派遣され、効果を上げているが、今年3月末で終了するため、市は介護保険事業として継続実施を決めた。(郷裕策)

 市地域包括支援センターのケース会議は、地域からのさまざまな相談に応じて随時開かれている。この中で、法テラス釧路と釧路弁護士会の弁護士派遣は年間で計20回から40回に達した。困難な法的問題の解決に向け、弁護士のアドバイスに基づき、市地域包括支援センターが道筋づくりに取り組んでいる。

 地域の高齢者や介護者らが抱える法的問題は、財産管理、債務整理、賃貸借契約、経済的虐待、家族間トラブル、近隣トラブルなど幅広い。50歳代の子供が親の年金を搾取し、自らも借金を抱えていたケースでは、同支援センターが高齢者に後見人をつけるなどの対応をしたという。市介護高齢課は「弁護士派遣により解決に至った多くの事例がある」と効果を強調。新年度からは市が弁護士の参加を依頼する形に変わる。

 法テラスと弁護士会の弁護士派遣を実施しているのは、釧路市以外では福岡県と青森県の2カ所だけ。釧路市以外は県の実施という先進的な取り組みで、道内では札幌市が新年度からモデル事業として取り組みを始める。

 また、弁護士派遣は、市権利擁護成年後見センターのケース会議でも行われている。これも法テラス釧路が今年度での終了を通達していることから、市は弁護士に会議参加を要請する形で新年度以降も継続実施の方針だ。同会議への弁護士派遣は20年度は1回にとどまったが、21年度は5回に増えている。市民後見人は本来、法的問題を抱えるケースは受任しないが、高齢化の進展により市民後見人の需要が高まる中、法的問題にも取り組まなければならない状況が増えているようだ。


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