陸上釧路市

村岡さん、ハイテクACに入部

 別海町出身で道教大岩見沢校陸上競技部に所属する村岡柊有(しゅう)さん(22)=釧路景雲中出身=が、4月から五輪などの日本代表を輩出してきた実業団「北海道ハイテクAC」(恵庭市)に100㍍障害の選手として入部が決まった。中学時代に2度全国優勝したものの高校、大学時代は成績が伸び悩み、競技引退を考えていた中で臨んだ大会で自己ベストを更新し、継続を決意。2年後のパリ五輪出場を目標に走り続ける。(鈴木大聖)

 村岡さんは身長157㌢。小学3年から競技を始めると、6年で全国小学生交流大会の80㍍障害で2位に。釧路景雲中では100㍍障害で2年時のジュニアオリンピック大会、3年時の全国中学校体育大会を制した。恵庭北高に進み、3年で全国高校総体の女子400㍍リレーの3位入賞に貢献した。

 しかし、本職の100㍍障害ではハードルの高さや間隔が変わったことで苦戦を強いられ、思うような結果を残すことができなかった。その後「北海道で陸上を頑張ろう。教員免許を取ろう」と道教大岩見沢校に進学したものの、高校1年から大学4年までの7年間で自己ベストを0・1秒しか伸ばせず「大学で競技を引退するつもりだった」と語る。

 その中で臨んだ昨年9月の日本学生対抗選手権大会だったが、100㍍障害で「気持ちが吹っ切れて気持ちよく走れた」と自己ベストを0・7秒更新する13秒37をマーク、5位入賞した。「まだまだ伸びしろがある。走り続けたい」との思いが強くなり、勧誘を受けていた北海道ハイテクACへの入部を決めた。

 同ACは恵庭市の屋内型陸上競技施設のインドアスタジアムを拠点に活動している。1月に競技を引退した女子100㍍と200㍍の日本記録保持者、福島千里選手(33)=現・セイコースマイルアンバサダー=や、100㍍障害の日本記録保持者で昨年の東京五輪に出場した寺田明日香選手(32)=現・ジャパンクリエイト=らが所属していたことで有名。

 村岡さんは北広島市にある児童支援施設から就職の内定を受けており、練習時間以外は施設の職員として勤務する。

 「記録が出なくて悔しかったし、苦しかった。陸上をやめたくなっていた時もあった」と悩んでいた過去を明かすも、「その期間があったからこそ基礎をつくり直せた。今思えば必要な期間だった」と振り返る。

 自己ベストの13秒37は昨シーズンの日本ランキング17位で、記録上位者が優先的に出場できる日本選手権(6月、大阪)への参戦が可能となっている。同選手権は五輪や世界選手権などの国際大会がある年には代表選手選考会も兼ねて行われる。

 パリ五輪を目指す村岡さんは「まず1年目は決勝(8人以内)に残り、足掛かりとなる年にしたい」と先を見据え、「活躍して釧根で陸上に励んでいる小中高生の希望になれたら」と闘志を燃やしている。

[写真/北海道ハイテクACへの入部が決まり、さらなる飛躍を目指す村岡さん ]


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