テツ男社長のたわごと
キハ183系と281系
JR北海道は7月13日、キハ183系とキハ281系の運行終了を発表しました。キハ183系は、それまで北海道の特急列車の主役キハ82系の置き換えとして、1979(昭和54)年に3両編成の試作車が完成し、10月7日に釧路機関区へ来ました。1980(昭和55)年2月11日から特急「おおぞら」で1年以上の試験走行を経て、石勝線が開通した1981(昭和56)年10月1日から本格的に導入されました。1986(昭和61)年11月1日、国鉄最後のダイヤ改正で500・1500番台が登場し、高速化に貢献しました。現在は特急「オホーツク」「大雪」で運用されていますが、今年度で定期運用をはずれ、その代わり今年3月のダイヤ改正で「おおぞら」として活躍していたキハ283系が再登板します。なお、1992(平成4)年に登場したキハ183系一族「ノースレインボーエクスプレス」は2023(令和5)年春に引退します。
一方キハ281系は、北海道で初めての振り子式気動車特急で1992(平成4)年に誕生し、1994(平成6)年3月1日のダイヤ改正で「スーパー北斗」として運用を開始しました。最高速度130㌔を誇る韋駄天ぶりを遺憾なく発揮して北海道内の高速鉄道網を築きました。今年9月で定期運用をはずれますが、10月には臨時列車を運行する予定です。
キハ183系とキハ261系の思い出をご紹介します。
大きな窓が特徴で前面展望が楽しめるキハ183系500、1500番台(1999年4月9日おおぞら14号 札幌)
【キハ183系】
出合いは1979(昭和54)年10月7日でした。当時、国鉄の新富士駅に勤務していました。ある日「釧路鉄道管理局報」を見ると、釧路機関区までの183系試作車の回送ダイヤが、その後に試運転のダイヤが掲載されていて、目を皿のようにして見入りました。勤務時に183系試作車がやってくる時は、カメラを職場に持参しました。
釧路機関区で待機するキハ183系試作車(1979年10月21日)
いよいよ「おおぞら」にキハ183系が投入された1980(昭和55)年の冬。そそくさと釧路駅に出かけて見送りました。キハ82系とは違い、いかにも走りそうなエンジン音に興奮しました。でも、82系を駆逐する「にくいやつ」という気持ちも少しだけありました。
キハ183系出発式の模様を伝える釧路新聞(1980年2月13日付)
国鉄の分割民営化を前に最後のダイヤ改正が1986(昭和61)年11月1日に行われました。この際、「おおぞら」に投入されたのがキハ183系500、1500番台です。まず驚いたのが塗装の斬新さと室内が明るいこと。そして、前面がよく見える〝展望車〟のような先頭車両でした。「おおぞら」「まりも」で、この展望車にはお世話になりました。特に夜行に乗った時には、楽し過ぎて一睡もできませんでした。
キハ183系500、1500番台の出発を伝える釧路新聞(1986年11月2日付)
最後に〝音〟をお届けします。今冬、石北本線の上川から大雪4号に乗車しました。2番線にはキハ40の普通列車がいて、その隣にキハ183系の大雪が1番ホームに入線します。ICレコーダーを持ちながら車内へ入り、上川を出発します。
キハ183系大雪4号の上川発着(3分27秒)
【キハ281系】
スーパー北斗に乗車の際には、何回かお世話になりました。
駒ヶ岳でキハ40普通列車と交換するスーパー北斗7号(2016年7月3日)
デビュー前に、釧路にきていたこともありました。最初に来たのは1992(平成4)年5月25日。2両編成の試作車は、札幌を早朝に出て各種データを確認しながら釧路には11時45分に到着しました。この年の2月から道内各地で試運転を70回ほど重ねて釧路へ。特に釧路と帯広の間は、カーブの連続。「将来の釧路導入の可能性を考慮した試運転」と見ていた関係者もいらっしゃるようで、それがキハ283系へつながりました。
キハ281系試運転の釧路到着を伝える釧路新聞(1992年5月26日付)
その翌年には釧路で試乗会も行われました。釧路と札幌の間の速達化を目指す関係者の期待がいっそう膨らみました。
キハ281系試乗会を伝える釧路新聞(1993年9月5日付)
昨夏、キハ281系北斗2号に乗車しました。ちょっと長いですが、大沼公園から新函館北斗までの車内と新函館北斗出発の音をどうぞ。
キハ281系北斗2号の大沼公園到着から新函館北斗出発まで(15分20秒)
キハ183系も281系も、北海道の鉄道を長年に渡り支えてきました。ご苦労様でした。そして、ありがとうございました。
※次回は8月1日ころに更新する予定です。
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