釧路市釧新教育芸術振興基金文化・芸術
釧新郷土芸術賞贈呈式で受賞者3氏を祝福
公益財団法人釧新教育芸術振興基金(星匠理事長)は23日、第51回釧新郷土芸術賞の贈呈式をANAクラウンプラザホテル釧路で開いた。今年度受賞者で声楽の鴨川太郎さん(58)=釧路市=、ピアノの木原健太郎さん(49)=同=、油彩の長内紀子さん=同=の3人に賞状とメダルを贈呈した。
同賞は地域の芸術振興や文化向上に貢献する個人、団体をたたえる賞として1972年に始まり、昨年度までに135人、12団体を表彰している。
鴨川さんは東京藝大大学院在学中にイタリアに留学し、1995年の第6回国際コンクール「ローディ市」のオペラ部門で3位に輝き実力を示す。昭和音大や東京藝大などを経て、2013年から道教大釧路校の教授を務め、地元合唱団の指導も行う。
木原さんは4歳からピアノを始め、高校卒業後に米国ボストンのバークリー音大に進む。帰国後、ソロピアノやライブなど国内外で演奏活動を行い、アルバムも発表。作曲・編曲家としてラジオやテレビアニメ、芝居などに楽曲を提供している。
長内さんは2000年から油彩画制作を開始。静物画に加え、近年では心象風景を描く。06年から公募展に出品。釧美展では17年の100回記念展で会友賞を受賞し、会員に推挙される。道展では21、22年と連続で佳作賞を受賞。新制作展では17年に初出品、初入選の快挙を成し遂げた。
贈呈式は、新型コロナウイルス感染防止対策として出席者を制限して行われた。星理事長は「今回で51回目となり、また新たな釧新郷土芸術賞の歴史を生む最初の3人。今後も各分野で活躍してもらいたい」とあいさつ。選考委員長で第1回受賞者の羽生輝氏が選考経過などを報告した。
受賞者の謝辞では、鴨川さんが「演奏を通して自らの感性を磨きながら、今後もそこで得たものを釧路の皆さんと共有したい」、木原さんは「今後も可能な限り、釧路の皆さんと私の音楽やピアノを通して音楽のキャッチボールをしていきたい」、長内さんは「喜びとともに受賞の重みをしっかりと心に受け止め、良い作品を制作できるよう一層努力をしていく」とそれぞれ述べた。(嶋守善一)
[写真/今年度の釧新郷土芸術賞を受賞した鴨川さん、木原さん、長内さん(左から) ]