釧路市釧新教育芸術振興基金

釧新郷土芸術賞に輝く㊥ 水彩 杉本繁久さん【釧路市】

 標津町出身。小学校で美術教師に絵を褒められ、後に筆を執るきっかけとなる。1968年に根室信用金庫(当時)に入庫。大地みらい信用金庫の執行役員や理事などを務め、2012年に退職。第二の人生のスタートとともに新たな趣味を模索していたところ、その年の秋に釧美展で見た水彩の風景画に感銘を受け、本格的に描き始めた。

 写実的な風景画を得意とし、14年に釧美展入賞、16年には日本水彩画展に初出品し初入選。その後も21年の道展で新人賞、23年の示現会展で佳作賞など、入選、入賞を重ねる。知床の大自然や羅臼の港、霧多布岬や釧路湿原など、道東の雄大な自然をテーマに、その魅力を絵画で伝えている。製作時は現地に取材に赴くが「自然は毎日違う表情を見せる。特に流氷は急に現れ、いなくなるので難しい」。毎日6時間ほど費やし、1カ月から1カ月半ほどかけ完成させる。

 受賞については「これまでの活動が花開いたようで、本当に光栄なこと」と喜ぶ。「楽しく描いて、見た人に喜んでもらいたい。『自分も描いてみたい』と思うきっかけになれば」と今後の活動に意欲を見せている。(橋本梓)

[写真/「見た人に『癒やされます』『感動しました』と言ってもらえることがあり、とても励みになる」と杉本さん]