経済地域活動根室市

「北の勝 搾りたて」求め列 「幻の酒」蔵出し【根室】

 【根室】地酒「北の勝」の醸造元・碓氷勝三郎商店(碓氷ミナ子店主)は25日、「北の勝搾りたて」を蔵出しした。入手の難しさから「幻の酒」と表される限定酒で、今年は昨夏の猛暑の影響で例年に比べ約4000本少なく、市内各所にできた行列の中には涙をのむ人も少なくなかったようだ。

 搾りたては1984年発売。今年で40周年の節目を迎えたが、例年の2割減となる1万3500本の限定となった。山形県産「はえぬき」を原料にしたアルコール度数18・5度。希望小売価格は1・8㍑2644円(税別)。杜氏の梅井利行さん(59)は「飲み飽きしない柔らかな口当たりで、喉越しの良いお酒に仕上がった」と表した。

 例年に比べ約30本減の70本を販売した市内大正町のスーパー「マルシェ・デ・キッチン」の一番乗りは、昨年に続き札幌市の会社役員(68)。前日の午後10時に並んで自分用を購入したが、全道的な吹雪模様に「帰れるかな」と店舗を後にした。

 午前4時30分に並び、48番目の整理券を手にした釧路市の神保千里さん(55)は、お酒が飲めない「下戸」。日本酒が好きで釧路市出身の大阪在住アイドル、秋葉令奈さんに2017年から贈っているという。

 フリマアプリ「メルカリ」には、さっそくこの日の搾りたてが出回った。箱売りも出品されており、相場は1本約9000円と3倍の値を付けて売買されている。(山本繁寿)

[写真/即日完売となった「北の勝 搾りたて」(26日午前10時、マルシェ・デ・キッチン)]


釧路新聞電子版のご登録はコチラ!登録月は無料!!

関連記事