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家系図から政治家解説 作家・石井氏が講演 内外情勢懇【釧路市】

 内外情勢調査会釧路支部(中島太郎支部長)の1月懇談会が29日、釧路センチュリーキャッスルホテルで開かれ、ノンフィクション作家の石井妙子氏が「現代の政治家、その光と影~家族史から浮かぶ評伝秘話~」と題して講演した。

 石井氏は白百合女子大学卒業、同大学院修士課程修了。毎日新聞紙上で本因坊戦の囲碁観戦記を担当した後、ノンフィクション作家となった。「原節子の真実」(新潮社)で第15回新潮ドキュメント賞、「女帝小池百合子」(文芸春秋)で第52回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。

 講演では現職首相や首相経験者の著名な政治家について、家系図を示しながら血筋が政治姿勢に与えた影響などを解説した。現職の石破茂首相については「信仰心があつく、母も2人の姉も教員の、教育者の家庭に生まれた」とし、結婚時は故田中角栄元首相の勧めに背いて愛を貫いたエピソードを紹介。「理屈っぽいと評されるところに血筋がよく表れている」と述べた。

 岸田文雄前首相については「祖父から衆院議員の、典型的な世襲政治家」と評価。鈴木善幸元首相や宮澤喜一元首相とも親戚関係にあるとし「親戚に政治家を持つ人が立候補すると、一般の候補者では太刀打ちできない。勝てるとすれば、橋下徹氏や小池百合子氏のようにメディア露出で知名度が高い必要があり、世襲議員とともにタレント議員も増えたのが平成政治の特徴」と指摘した。

 また、平成以降では唯一の非世襲政治家の首相である菅義偉元首相については、雪深く冬は通学のために下宿せざるを得ない農村に育ったことで、都会と地方の格差是正を強く志向するようになったとし「ふるさと納税などの政策につながった」と述べた。(橋本梓)

[写真/講演した石井氏]


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