記者コラム【しまふくろう】
避難タワー
釧路町で避難タワー2基が完成した。地震時の津波や大雨による洪水などから一時避難する際、2基で約800人が身を寄せられる。2、3階には暖を取れる室内スペースがあり、水でぬれた服を着替えたりお母さんが赤ちゃんに授乳したりできる個室や、太陽光パネルで蓄電した電力を携帯電話などの充電に充てたりできるUSBポートが完備されている。トイレの下水はカキの殻を使って浄化させるなど、環境にも配慮した最新の設備が備わっている。
特措法の改正で施設建設にかかる国の補助が拡充してから道内で最初にできた避難タワーということで、2日の落成式では来賓として出席した国交省の担当局長が「積雪寒冷地の津波避難タワーとして、当時机の上で考えていた内容よりもはるかに素晴らしいものができた」と語っていたのが印象的だった。機能的に注目される一方で、その活用法への課題も挙げられていた。実際に使う町内会の自主防災組織の代表者と話をする機会があったが「訓練など平時にどう利用するか今後行政と詳しく協議していきたい」と話していた。年内に別の2基も完成する。住民の取り組みも同時に注目している。(五味亜希子)
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