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24年船舶海難 釧路、根室海保とも死者ゼロ 

 釧路海上保安部と根室海上保安部は、2024年に発生した船舶海難と人身海難の発生状況(速報値)をまとめた。釧路海保管内の船舶海難は前年比3隻増の4隻で人身海難は同2人増の21人、根室海保管内の船舶海難は同7隻増の9隻で人身海難は同8人減の6人だった。(橋本梓、島津昌和)

釧路海保

 釧路海保管内の船舶海難による死者、行方不明者はなく、事故を起こしたのは漁船3隻(前年比3隻増)と遊漁船1隻(同1隻増)。事故の内訳は運航不能2隻(同2隻増)、火災1隻(同1隻増)、浸水1隻(同1隻増)。原因は見張りの不十分、整備不良、漏電、異常気象で、過去5年間の海難原因の半数が人的要因となっている。

 人身海難のうち、操業中の負傷や病気などの「船舶海難によらない乗船者の人身海難」は6人(同2人減)で、病気1人(同3人減)、負傷3人(同増減なし)、海中転落2人(同1人増)。乗船者の人身海難者数は病気による海難が減少し、過去5年間と同程度となった。

 入水(自殺)や岸壁からの海中転落などの海浜事故は15人(同4人増)、マリンレジャーによる事故は1人(同増減なし)で死者はなし(同1人減)。マリンレジャー以外の事故者は14人(同4人増)で、うち死者は8人(同1人増)。内訳では自殺が8人(同増減なし)で、うち死者4人(同2人減)。海中転落6人(同4人増)で、うち死者4人(同3人増)だった。

 同海保は「異常気象などの不可抗力に伴う海難が発生し、船舶海難が増えた。基本事項を守ることの重要性を啓発し、海難防止を呼び掛ける」としている。

根室海保

 根室海保管内の船舶海難による死者、行方不明者は2014年以降11年連続ゼロとなった。人身海難は6人と前年比8人減で、死者、行方不明者は2人だった。

 統計は、根室海保管内(根室振興局管内)で発生した船舶海難、人身海難の状況をまとめたもの。海上における衝突、浸水、火災などの船舶事故は9隻で船種別では漁船が7隻、貨物船、ミニボートが各1隻。

 事故種類別では衝突が4隻(前年比4隻増)、転覆が2隻(同2隻増)、浸水が1隻(同1隻増)、運航不能が1隻(同1隻増)、その他が1隻(同1隻増)。係留中の船が暴風雪で浸水、沈没した事案や納沙布岬沖での漁船同士の衝突、流氷による航行困難などの事例があった。

  一方、人身海難は6人で死者、行方不明者が2人。このうち、船舶事故によらない乗船者の人身事故が3人(同7人減)、死者、行方不明者は0人(同)。内訳は負傷が2人(同1人減)、病気が1人(同3人減)。船のドラムに巻き込まれ負傷する事案などがあった。

  このほか、マリンレジャー以外の海浜事故は3人(前年同)、死者・行方不明者は2人(同1人減)。内訳は海中転落が2人(同1人増)、自殺が1人(同)。船に氷を積む作業中に海中転落した事案などがあった。(島津昌和)

[写真/昨年4月に根室管内で発生した漁船転覆事故]


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