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釧根大雪 生活直撃 住民、雪かきに汗

  釧路、根室管内は4日、発達した低気圧が接近した影響で記録的な大雪となり、両管内の全小中高校、義務教育学校が臨時休校。飲食店や各事業所の臨時休業、イベントの中止も相次ぐなど、住民生活に大きな影響が出た。 (森崎博史、島津昌和、鉾之原頌吾、水谷友路)

 観測史上最大となる87㌢の降雪があった白糠町では、朝から雪かきで汗を流す町民の姿が目立ち、町議会議員と町民による懇談会が中止となった。町職員の高橋汰成さん(24)は「白糠に住み始めて6年目となるが、これほどの雪は初めてで驚いた。出勤時に車を出すことができず、たまたま居合わせた同僚に送ってもらった」と話していた。

 北海道観光のため2日に大阪から家族3人で来釧し、この日はJRで札幌に向かう予定だったという黒谷信義さん(45)は「飛行機が欠航となり、急きょJRを利用するため釧路駅まで来たが、運休となってしまった。さっぽろ雪まつりに行けないのは少し残念だが、こういったことも旅の醍醐味。もう1日釧路を楽しみたい」と笑顔を見せた。

 銭湯「晴の湯」(武佐2、小向秀明社長)では、駐車場の雪かきや風呂の準備は進めていたが、従業員の出勤が難しくなったことや、利用客の安全も考え臨時休業とした。小向社長は「朝の4時から雪かきを始め1度は終えたが、その後も雪が降り続け、昼ごろにもう1度することに。今年度は雪が少なく安心していた。きょうは休んであすからまた頑張ります」と話していた。

[写真/JR釧路駅で列車の運休を確認する乗客ら(4日午後1時15分ごろ) ]

事故や通行止め相次ぐ

 【根室】根室市内でも発達した低気圧の影響で雪と強風に見舞われた。市の危機管理課によると午後5時現在、屋根がはがれる被害が1件あったほか、別当賀地区で午前11時ごろから午後1時16分ころまで60戸が停電となった。また、ごみ収集とし尿収集が一部中止となり、春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターが臨時休館となった。

 このほか根室署によると、珸瑶瑁地区で1㌧トラックがシャーベット状の路面でスリップし路外に逸脱して横転。同乗者1人が病院に運ばれる交通事故も発生した。

 【別海、中標津、標津、羅臼】4町では、町道の通行止めは発生しなかったものの、ごみ収集の中止や町営バスの運休、一部の公共施設が臨時休館するなどの影響が出た。

 中標津空港では、札幌や東京への発着便全12便が欠航。ロビーでは、翌日以降への便の変更や宿泊先を手配する人々の姿があった。広島から3日間の旅行に訪れていた高比良理さん(26)は休みの延長を職場に連絡するなど対応に追われた。「空港に来るための運転も大変だった。学生時代、札幌で生活していましたが、改めて北海道の雪の怖さを知りました」と話した。

 【弟子屈】観光シーズンまっただ中の弟子屈町では、大雪による通行止めなどで予定変更を余儀なくされる国内外の観光客が多かった。摩周湖第1展望台へつながる道道52号が吹雪で一部通行止めとなったため、摩周湖カムイテラスが営業休止となった。

 また、摩周湖や阿寒湖などを周遊する定期観光バス「ホワイトピリカ号」が運休。同バスが休憩で立ち寄る「道の駅摩周温泉」物産販売所の野呂敏克店長は「乗客がアイスクリームやハンバーガーを結構買ってくれるので、仕方ないとはいえ残念」と話していた。

[写真/雪の影響でスリップした単独事故(根室市、4日午後2時すぎ)]

[写真/大雪で発着便全便が欠航した根室中標津空港(4日午後1時前)]

[写真/吹雪で通行止めとなった道道52号(4日午後0時15分ごろ、弟子屈町)]


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