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「地域の自然に目向けて」 講座で春国岱とフレシマ湿原解説【根室】

 【根室】オホーツク海側にあるラムサール条約登録湿地の春国岱と太平洋側のフレシマ湿原について学ぶ講座が、春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターで開かれた。市民ら36人が約50年前の写真を通して、現在の自然環境や保全活動に理解を深めた。(成田友美通信員)

 講座は8日に開かれ、講師は市内の自然愛好団体「ニムオロ自然研究会」の高田令子さん、日本野鳥の会野鳥保護区担当チーフレンジャーの松本潤慶さんが務めた。

 春国岱は半世紀前と比べて面積が縮小し、地盤沈下などの影響で立ち枯れた木が多くなったという。また、エゾシカの食害でハマナスが減少し、そこで子育てをする鳥類も減ったため、2014年からハマナスを囲う柵を5カ所設けて保全活動に取り組んでいる。高田さんは「鳥だけではなく、昆虫の多様性も回復してきている」と報告した。今年は柵の拡張を計画している。

 フレシマ湿原は116種の鳥類と335種の植物が確認されており、日本野鳥の会は野鳥保護区(約203㌶)を設けて、保全活動を行っている。23年には豊かな生態系が保全されている区域として、国が認定する「自然共生サイト」に選ばれており、現在、タンチョウ1つがいが暮らしていることなどが紹介された。

 松本さんは「根室には国内屈指の自然環境が身近にあるので、一緒に守っていきたい。地域の自然に目を向けてほしい」と呼び掛けていた。

[写真/約50年前の春国岱と現在の違いを解説する高田さん]


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