札幌市地域活動
平和への祈り新たに 戦没者追悼式【札幌市】
【札幌】62回目となる北海道戦没者追悼式が30日、札幌市豊平区の北海道立総合体育センターで行われ、戦没者遺族や関係者らが戦後80年の節目に平和への祈りを新たにした。
追悼式は1964年から実施。先の大戦での道内の戦没者は戦地に赴いた軍人や一般邦人も含め約11万人。遺族は高齢化し、付き添いも含め421人、来賓73人と合わせて494人が参列し、白菊を献花した。
カムチャツカ半島での地震による津波警報が発令中で、災害対策連絡本部の会議などもあり、鈴木直道知事の代理として三橋剛副知事が式辞を代読したほか、参院選後の政局もあり国会議員の本人出席は野党の2議員。知事の式辞では「戦争の記憶を風化させることなく次世代に伝えていくことが私たちの使命。恒久平和を希求し活力あふれる北海道を築くため全力を尽くしたい」と平和への誓いをささげた。
遺族代表は札幌市の上島敏子さん(84)。中国満州で家族4人で暮らしていた終戦の年、召集令状が来て父の藤治郎さんが入隊。父は生死不明のまま行方不明者扱い。当時4歳だった敏子さんは「父の命日は終戦記念日」。帰国途中で姉も亡くしており「戦争はいやです。悲惨な戦争をやめるよう祈りましょう」と追悼の辞で心境を吐露した。
式典の様子はユーチューブで配信、「北海道戦没者追悼式アーカイブ」から見ることができる。(武田博)
[写真/津波警報発令をおして行われた戦没者追悼式]
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