北方領土根室市
洋上慰霊、津波で順延 元島民ら交流会で意見交換【根室市】
【根室】北方領土「洋上慰霊」は30日、第3班の出港が予定されていたが、津波警報の影響で出港を自粛、翌31日に順延した。元島民ら参加者61人は高台にある千島会館に避難した。
千島会館では出発式など、船内で予定していたプログラムを実施した。藤井比早之外務副大臣や衆院沖縄および北方問題に関する特別委員会委員長の逢坂誠二氏らが参加した交流会では、国後島で暮らしていた落合芳子さん(84)=宮城県=が「一日も早く、現地に行ける体制が整ってほしい。皆さんに島の現実を見ていただきたい」と訴えた。
意見交換会では千島歯舞諸島居住者連盟副理事長の野潟龍彦さん(73)が、元島民や後継者への融資制度拡充について議論を活発にすべきと訴えた。国後島2世の谷内紀夫さん(67)は、北方四島の文化を継承するための「ナショナルセンター」の創設を提案した。
藤井外務副大臣は「北方墓参は最重要課題。ロシア側に強く働き掛けていきたい」と述べた。逢坂氏は「若い世代に北方領土問題をどうつないでいくか考えていきたい」とし、融資制度については「議員立法という手段もある。地元の国会議員と相談したい」と答えた。
洋上慰霊は31日、午前8時35分出港、船上で慰霊式を行った後、同11時15分に帰港予定。(成田友美通信員)
[写真/根室港からバスで避難する洋上慰霊参加者ら(30日午前8時50分根室港、同行記者団撮影)]
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