小さな子供の感染予防。大切なのは基本の徹底!【ハグくしろ】

 猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。それでなくとも、これからの季節はさまざまな感染症が流行りやすい季節であり、特にインフルエンザとは症状も似通っているため判別が難しい状態です。警戒心を強めて、一層の感染予防に取り組みたいところですが、小さなお子さんがいるご家庭では何が正解なのか迷う場合も多いかも知れません。今回は釧路市こども保健部健康推進課の健康づくり担当である越田絵里子さんに、自衛が難しい子供の感染予防について伺いました。

日頃の業務内容について教えてください。
 健康推進課は地域に住むあらゆる世代が健やかに生活していけるようサポートする部署です。具体的には母子手帳の発行や乳幼児健診の実施、生活習慣病予防の啓蒙や対策、18歳から39歳までの若者健診の実施と周知などがあります。
現在はこれらにプラスして、新型コロナウイルス感染症に関する予防情報の発信や一般相談の受付なども行っています。具体的な症状においては、かかりつけ医がいる場合はそちらへ電話相談の上での受診、もしくは保健所での対応になっています。ですから、それ以外の例えばアルコール消毒剤などがない場合の予防策をお伝えするなど、不安に関するアドバイスを行ったり適切な相談窓口を紹介したりしています。

感染予防において注意すべき点は?
 乳幼児の場合、食欲がない、ぐずりやすいなど、いつもと様子が違うかを見逃さずに!調子が悪くなるときは、飲む・食べる・寝るのリズムが崩れることが多いです。また、平熱を知っておくことも大切ですね。咳や熱などの症状が見られ、かかりつけ小児科へ行く前には、必ず一度電話で相談しましょう。実際に病院へ行ったら、発熱患者専用の出入り口を使ったり、待合室ではなく車内で診察を待つなど、病院によって対応が異なります。これらは院内での感染症拡大を防ぐための対策です。
新型コロナウイルスは糖尿病等の生活習慣病を抱えている人や、喫煙している(していた)人などは重症化するリスクが高いと言われています。道東は全国・全道と比べて喫煙者の割合が高い地域。釧路圏の喫煙率は全道を100ポイントとした場合、男性が121ポイント、女性は212ポイント(2017年度統計)。タバコは受動喫煙による害が大きいため、子供の新型コロナウイルス感染症の重症化を予防するためにも、子供がいる場所での禁煙の徹底がまずは挙げられるかもしれません。

家庭で取り組める感染予防について教えてください
 新型コロナウイルス感染症の多くが咳などによる飛沫感染だけではなく、落ちた飛沫が手指に付着しそれを体内に取り込んでしまう接触感染で広がるケースが多いとされています。小さいお子さんは慣れないマスクが気になって顔を触ってしまうので、日本小児科学会では2歳以下の乳幼児は、マスクの着用が不要。5歳以下の子供に対しても推奨しないとしています。
予防にはこまめな手洗いも大切です。乳幼児やアルコールが使えないお子さんは、ウェットティッシュなどで手指を拭きましょう。コツは、一度に2回拭くこと。指の間や手首なども丁寧に拭き、ウイルスをぬぐうことが目的です。食事の前後、散歩の後などに手洗いや手拭きが習慣化されれば、今後の健康維持にも役立ちます。
加えて行って欲しいのが、室内の換気です。窓を2箇所開け、朝昼晩風を通すと良いでしょう。市販の空間除菌剤は効果は保証されていないため、季節柄難しいと思いますが換気を推奨します。濡れたバスタオルを干すなどして湿度40%以上を保つと、空中に漂うウイルスも抑えられるでしょう。さらに、使用済みオムツや、鼻をかんだりした使用済みティッシュなどはポリ袋など密閉できるものに入れて処理することで予防効果が高まります。

子育てをする方々へメッセージをお願いします
 小さなお子さんがいらっしゃると毎日の生活だけでも大変で、新しい習慣を取り入れるのはなかなか難しいかもしれません。しかし、子供の健康を守るには親が健康であることが不可欠です。国内でも子供の新型コロナウイルス感染症への感染が報告されていますが、幼稚園や保育園でではなく、約8割は家庭内での感染でした。子供の感染は親や家族が自身をしっかり予防することで防げるということです。また、子供が多くのことを経験し学ぶためには、まずは健康でなければいけません。家族みんなの健康が予防の要ですので、家族内でできることから始めて、それぞれの健康を目指していきましょう。

【INTERVIEWEE】
越田 絵里子さん
 釧路市生まれ。1993年釧路市役所入庁。釧路市保健福祉部健康管理課母子担当。2006年より同部介護予防担当。10年より釧路市こども保健部健康推進課母子担当。14年より同部児童発達支援センター所属。’17年より同部健康づくり担当。
二児の母であり、出産後3カ月で復帰。子育ては保育ママ、幼稚園や学校の先生、両親など多くの人に助けられて乗り越えた。現在は夫と十数羽いるインコとにぎやかに生活中。
・新型コロナウイルス感染症 感染予防ハンドブック
第1版~釧路市ver.~/https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000158454.pdf
第2版~釧路市ver.~/https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000161086.pdf
小学校高学年向け/https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000160155.pdf
Q&A/https://www.city.kushiro.lg.jp/common/000161088.pdf


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