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釧路湿原自然再生協 水・物質循環、来月成果公表

 釧路湿原自然再生協議会の第20回水循環小委員会が11日、釧路地方合同庁舎で開かれた。同委員会では釧路湿原と釧路川流域の水・物質循環のメカニズム解明を14年にわたり行ってきたが、一定の成果がまとまったことから「技術資料」の公開を2月に行うことを確認した。

 水循環小委員会は同協議会の七つある小委員会の一つで、釧路湿原再生に向けて、水と物質の循環の仕組みを把握し、健全な状態を維持・形成するための手法を2003年度から検討してきた。

 水循環については、07年度から11年度にかけて流域の流量や地下水位、湧水量を調査して水理地質構造を解析。3次元シミュレーションなどを作成し、幌呂地区湿原再生事業の検討にも役立ててきた。また物質循環では、土砂や栄養塩などの物質の湿原への流入量を把握するため、12年度から調査を実施。物質循環シミュレーションを作成し、茅沼地区旧川復元区間の出水時の土砂堆積量推定などに適用した。

 技術資料はこれまでの調査や検討で把握した水・物質循環のメカニズムをまとめたものだが、内容が専門的なため、小委員会では「高校生や一般向けの副読本のような冊子を作っては」「流域の酪農家にも認識してもらえるものを」など地域住民へのPRの重要性を説く声が挙がった。

 また、今年度からは気候変動による影響の評価を検討する。(荒井純)

[写真/釧路地方合同庁舎で開かれた水循環小委員会 ]


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