釧路市釧新教育芸術振興基金文化・芸術

釧新郷土芸術賞に輝く 受賞者の横顔㊦

油彩 長内紀子さん

 2000年から画家の扇谷章二氏(1973年度釧新郷土芸術賞受賞者)に師事し油彩画制作を始める。静物画に加え、近年は心の中に思い描いたり、浮かんだりする心象風景を描き、色をのせては削り、さらに色を重ねては削るという作業を無心で繰り返し、数カ月かけて作品を完成させる。

 「没頭する制作の時間は壺中の天。時空を超えた別世界での楽しみだと感じている。作品からその世界観を感じてもらえるように今後も喜びをもって真摯(しんし)に制作を続けたい」と語る。

 06年から公募展に出品。同年の釧美展で初入選し、これまで新人賞や釧路市長賞などに選ばれ、17年の第100回記念展で会友賞を受賞し会員に推挙された。道展には10年の初出品、初入選を含め10回の入選を果たし、21年の「LOVE(雲上の)」、22年の「LOVE(深海へ)」で佳作賞を連続受賞。数々の美術家を輩出する新制作展では初出品の17年に初入選の快挙を成し遂げ、以後も出品し入選を続ける。また、11年からは社会福祉法人釧路若草会の2保育園で園児たちに絵画を指導している。

 今年5月に扇谷氏が逝去。「受賞の吉報を喜んでくれたはず」と話している。(嶋守善一)

[写真/「今後も喜びをもって真摯に作品制作を続けたい」と語る長内さん ]