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得能さん 領土問題語る 道東支部議員が研修会【根室】

 【根室】北海道市議会議長会道東支部議員研修会が25日、市穂香の道立北方四島交流センターニ・ホ・ロで開かれた。荒天を想定しウェブ会議システムを併用しての研修会で、同支部を構成する根室、釧路、帯広、北見、網走の5市議会議員48人が参加し、根室在住で元島民の得能宏さん(89)=色丹島出身=を講師に北方領土問題を研さんした。

 研修会は2年に1度、5市の持ち回りで開かれており、根室開催は10年ぶり。現地参加者は、根室市議会をはじめ釧路市議会4人、帯広市議会1人の計20人。ウェブ参加者は荒天により28人に増えた。

 根室市議会の田塚不二男議長が参加者を歓迎した後、登壇した得能さんは「北方領土を開拓した大先輩たちが他界し、当時14歳だった自分が領土問題を語り継がなければならなくなった」と述べた。

 ソ連軍の侵攻やソ連人との共生時代、家や財産を奪われ、気力をなくして島でなくなった祖父の話、ロシア人島民との友好関係、自身がモデルとなっているアニメ映画「ジョバンニの島」などの話を織り交ぜながら「北方領土講演は全国で約300件になる。来月には90歳で、うまく話せなくなってきているが、誰かが伝えなければという覚悟を持ってやっている」とし、参加した議員に「北方領土問題は日本の問題だということを認識してほしい」と呼び掛けていた。

 講話を現地で聞いた釧路市議会の宮田団副議長は「ここまで詳しく聞く機会がなかった。北方領土について知り得ないことが聞けた。ジョバンニの島も見なければいけないなと思いました」と話していた。(山本繁寿)

[写真/道東5市の市議会議員に北方領土問題を話す得能さん]


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