テツ男社長のたわごと

サイクルトレイン

 10月30日、釧網線にH100形を利用したサイクルトレインが運転されました。縁があり同行しましたので、そのツアーの模様をご報告します。

 今回のH100形は、釧網線、花咲線のラッピングを施した新車2両です。国や道が支援して北海道高速鉄道開発が所有し、JR北海道へ貸与したピカピカの新車です。そのため、車両には「北海道高速鉄道開発(株)」の銘板が張り付けられています。

 

JR北海道などとともに北海道高速鉄道開発の銘板も

 

 今回のH100形は82(釧網線)、83(花咲線)号機です。網走方が釧網線、釧路方が花咲線で登場しました。この車両の特色は、ラッピングのほか、座席(クロスシート)にテーブルが据え付けられること、ロングシートの一部に自転車を積み込む込むことができることです。さらに言えば、座席のシートが北海道をイメージしたデザインが施されています。

 

シートは北海道をイメージしたデザイン

 

 この日は、釧網本線維持活性化実行委員会のモニターツアーとして、釧路地域を中心に22人のサイクリング愛好家が参加しました。釧路駅で出発式が行われたあと、3番ホームから7時48分に出発。東釧路駅では、参加者のみなさんがホームで待機します。

 東釧路駅で自転車を積み込むことにしたのは、駅舎正面にあるコープさっぽろさんのご協力で、車を止めるスペースが確保できること、そして、ホームへ移動するまで、数段の階段を利用するとよいことでした。

 

東釧路駅で参加者のみなさんが待機する中、ホームに進入するH100形

 

 7時53分、サイクルトレインは東釧路駅に到着しました。さっそく自転車を積み込みます。1両に最大11台が可能です。シートをかぶせたロングシートに自転車を移動、つり革にかかっているバンドで前輪を固定します。前輪がシートに接するようにバンドの長さを調整する作業に、やや時間がかかりました。前輪がシートに接しないと列車の揺れで自転車が動いてしまいます。また、自転車のチューブを切ったもので、ハンドルとブレーキを固定させ、車輪が動かないようにしました。そのほか、自転車と自転車の間にパットを当てたりして、自転車同士が直接接触しないような工夫もなされました。東釧路駅には約20分停車しました。当初は、自転車の据え付けに時間がかかるのでは?と心配しましたが、参加者のみなさんが協力して作業をしましたので、スムーズに終了しました。

 

ロングシートにセットされた自転車

 

 東釧路駅を8時12分に出発したサイクルトレインは、摩周駅へ向かいます。途中、標茶駅では釧路行のキハ54普通列車と交換、摩周駅には9時26分に到着しました。参加者のみなさんは順番に自転車に据え付けられたバンドをはずして、ホームに出ました。そこには釧路湿原・阿寒・摩周シーニックバイウェイルートのみなさんが横断幕やグッズなどで歓迎していただきました。

 さて、到着したのは摩周駅3番ホームです。改札口へ出るためには「こ線橋」の階段を利用しなければいけません。東釧路は数段でしたが、摩周駅はそうはいきません。少し心配したのですが、参加者のみなさんは自転車を〝ひょい〟っとかついで階段を上り下りしました。

 

シーニックバイウェイルートのみなさんが摩周駅で出迎え

 

 駅舎横から駅前広場に出て、〝ライド〟を前に自転車を点検します。準備が整ったところで出発しました。コースは全長約52㌔。まず摩周駅から屈斜路湖畔のコタン、砂湯、硫黄山を経由して川湯温泉駅をめざし、駅舎内のオーチャードグラスで昼食をとりました。

 

摩周前を出発する参加者のみなさん

 

 休憩のあと渡辺体験牧場へ走り、そして摩周駅へ向かいました。途中、少し雨に降られましたが、まずまずのコンディションで、愛好家のみなさんは弟子屈町内でツーリングを楽しみました。

 帰りは摩周駅を16時10分に出発、東釧路駅には17時30分過ぎに到着しました。後日、参加者のアンケートをもとに、反省会が開催される予定です。

 

摩周駅で出発を待つラッピングH100形

 

 せっかくH100形の新車2両が釧路運輸車両所に投入されました。定期運用にも入りますが、サイクルトレインも含めて楽しい列車を企画したいものですね。

 

※次回は11月21日ころ更新します。


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